走るとスネが痛いのはなぜ?前脛骨筋に負担がかかる原因と体の使い方のクセ
はじめに
「ランニングを始めたら、スネの外側がズキズキ痛む…」
「歩き方を変えた覚えはないのに、なんかスネが張る感じがする…」
そんな“スネの痛み”を感じている方はいませんか?
これは多くの場合、「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」と呼ばれる、スネの前にある筋肉のオーバーユースが関係しています。
今回は、走るとスネが痛くなる原因を、カイロプラクターの視点から体の構造と動きのクセをもとに解説していきます。
前脛骨筋とは?どんな働きがあるのか
前脛骨筋は、スネの外側から足の甲にかけて走る筋肉で、以下のような動きに関わっています。
▶ 主な働き:
- 足首を上に反らす(背屈)
- つま先を上げて地面に引っかからないようにする
- 歩行やランニング時のブレーキ動作に関わる
そのため、歩く・走るといった日常動作の中で常に働き続けている筋肉なのです。
スネが痛くなる主な原因
原因①:足首の使いすぎ(オーバーユース)
走る動作では、足が地面につくたびに前脛骨筋が「つま先を引き上げる」動作を繰り返すため、
急に走り始めたり、フォームに問題があると、過剰に使われて疲労や炎症が起きやすくなります。
原因②:足の着き方(ヒールストライク)
**かかとから地面に着地する走り方(ヒールストライク)**では、
着地の瞬間に前脛骨筋が衝撃を吸収する役割を果たすため、特に負担がかかりやすくなります。
原因③:体幹・骨盤の不安定さ
体幹や骨盤が不安定だと、下半身の動きがぶれやすくなり、局所的に前脛骨筋への負担が集中してしまいます。
また、股関節の可動性が低い場合にも、膝から下の動きに頼りすぎてしまい、スネがオーバーワークに。
カイロ的視点:スネの痛みは“連鎖の乱れ”から?
私たちの体は、筋肉や関節が連動して動く「キネマティックチェーン(運動連鎖)」でできています。
スネの筋肉が痛くなるのは、必ずしもスネの問題とは限らず、股関節・骨盤・足裏アーチの乱れが起点になっているケースも多いのです。
放置するとどうなる?
このようなスネの痛みを放っておくと…
- シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
- ランナー膝や足底筋膜炎との合併
- ふくらはぎや膝下の筋膜の癒着
といった慢性的なトラブルに発展してしまうことも。 「ちょっと痛いだけ」と思わず、早めの対処が大切です。
まとめ:スネの痛みは体のサイン!
- 前脛骨筋は「つま先を上げる」「足の動きを安定させる」重要な筋肉
- ランニングのフォームや筋肉の使い方のクセが原因で痛みが出やすい
- カイロ的には、骨盤や股関節の動き・安定性の問題にも注目!
- 日常的なケアとストレッチで、再発予防とパフォーマンスアップを!
次回予告:スネの張りをスッキリ!週末ストレッチ
次回の土曜コラム【カイロ先生のストレッチなび】では、
この前脛骨筋の張りや痛みに効果的な、やさしいセルフストレッチ&ケア方法を紹介します。
走る人はもちろん、立ち仕事や足の疲れやすい方にもおすすめです!
【カイロ先生の体なび】は、毎週火曜に「体のしくみ・メカニズム」視点から、
土曜には「自宅でできるセルフケア・ストレッチ」をご紹介しています。