O脚・X脚は足だけの問題じゃない?体のつながりで読み解く姿勢のクセ
はじめに
「O脚が気になって…」「もしかしてX脚?」と悩む方は多いですが、O脚・X脚は脚だけの問題ではありません。 実は、骨盤・背骨・肩甲骨・腕など、全身の動きが連動した結果として起こることもあります。 これは「キネマティックチェーン(運動連鎖)」という視点から考えると、とても納得できる仕組みなんです。
🔹そもそもO脚・X脚って何?
簡単に言えば、脚をそろえて立ったときの膝の位置が、
O脚・X脚とは
タイプ | 特徴 | 膝の位置 | 足の向き | 骨盤の傾向 |
---|---|---|---|---|
O脚 | 脚が外に開く 膝が離れている |
離れている | 外向きになりやすい | 後傾〜外旋ぎみ |
X脚 | 膝が内に入りすぎる ももの内側がくっつく |
近づいている | 内向きになりやすい | 前傾〜内旋ぎみ |
🔸【カイロ豆知識】脚の角度を数字で見ると?
O脚・X脚は見た目でも判断できますが、**「FTA(大腿脛骨角)」**という数値で目安を知ることもできます。
大腿脛骨角(FTA)
膝の状態 | FTAの目安 | 見た目の特徴 |
---|---|---|
正常 | 約175〜180度 | 立ったとき膝とくるぶしの両方がつく |
O脚(内反膝) | 180度以上 | 膝が外に開いて、くるぶしはついても膝はつかない |
X脚(外反膝) | 170度以下 | 膝がくっつくが、くるぶしが離れる |
FTA(大腿脛骨角)はレントゲンで正確に測るのが理想ですが、鏡の前に立って自分の膝や足首の距離を見るだけでも、ざっくりとした目安になります。
🔸成長発達とO脚・X脚
O脚・X脚には、**子どもの発達段階で自然に見られるもの(生理的O脚・X脚)**があります。
幼児期はO脚傾向
その後、3〜6歳頃にかけてX脚傾向
成長とともに自然と整っていく
このような一時的な歪みは、成長の一部であり心配はいりません。
ただし、成長後も強く残る場合や、膝や股関節に痛みがある場合は要注意です。
🔸成人でも「軽度の外反膝(X脚傾向)」はよくある
X脚まではいかなくても、**膝がやや内側に入り気味(軽度外反膝)**の人は非常に多いです。
特に女性は、骨盤の構造上、太ももから膝にかけて内向きの角度(Qアングル)がつきやすく、
長年の生活姿勢や歩き方のクセで、膝〜足首〜骨盤のねじれが固定化してしまうことがあります。
このようなクセが積み重なると、
肩が内巻きになる
腕が前に出る
猫背や反り腰になる
など、体の上部にも影響が波及していくことがあるのです。
🔹キネマティックチェーンとは?
「キネマティックチェーン」は、体の各部位が連動して動く仕組みのこと。
つまり、足が動けば骨盤が動き、骨盤が動けば背骨や肩甲骨が反応し、最終的には腕や手にも影響するという考え方です。
🔹O脚・X脚と腕の意外な関係
● O脚タイプに起こりやすい連動:
- 足が外側に開く
- 骨盤が後傾しやすく、背中が丸くなる
- 肩が内巻きになり、腕が前に出る
- → 結果:肩の動きが硬くなる/腕の振りが小さくなる
● X脚タイプに起こりやすい連動:
- 膝が内側に入り、足首が内反気味
- 骨盤が前傾しやすく、反り腰気味
- 背中〜肩甲骨が固定されやすい
- → 結果:肩の可動域が狭くなる/呼吸が浅くなる
🔹“脚の形”は“体の使い方の結果”
O脚・X脚は、静止姿勢だけでなく、 歩き方 座り方 立ち方 腕の振り方 といった「動きのクセ」や「生活習慣」の影響で作られていることも多いのです。
🔸まとめ
O脚・X脚は脚だけでなく、全身の連動の乱れとして捉えることが大切 子どもの一時的な脚の変化は正常な発達過程として見守る 成人でも軽度の外反膝傾向があり、そこからくる体のクセに注意 「FTAの目安」で脚の状態をチェックしつつ、肩や腕への影響も見逃さない カイロプラクティックでは「脚・骨盤・背骨・肩・腕」のつながりに注目して全体を整えていきます
🔜次回予告(ストレッチ編)
次回の【カイロ先生のストレッチなび】では、 「O脚・X脚に効く!骨盤&肩甲骨の連動を整えるストレッチ」をご紹介します!
【カイロ先生の体なび】は、毎週火曜に「体のしくみ・メカニズム」視点から、
土曜には「自宅でできるセルフケア・ストレッチ」をご紹介しています。