膝の音が鳴る原因とメカニズム
はじめに
立ち上がる時や階段の上り下りで、膝から「パキッ」や「ポキッ」といった音が鳴ることは、多くの人が経験する現象です。この音は不安や違和感の原因になりやすく、「関節が壊れているのでは?」と心配になることもありますが、多くの場合は自然な現象であり、必ずしも病的なものではありません。
なぜ膝から音が鳴るのか?
膝の音は主に次のような原因で発生します。
関節内のガス放出(キャビテーション)
関節の中には滑液という潤滑液が存在し、その中には二酸化炭素などのガスが溶け込んでいます。関節が動く際に関節の空間が広がると、溶けていたガスが気泡となってはじけることがあり、これが「パキッ」という音として聞こえます。これは関節の正常な動きの一部で、痛みを伴わなければ心配ありません。
軟骨や半月板の摩擦や動き
膝関節は大腿骨と脛骨の間にクッション役の軟骨や半月板があります。これらが動く時に擦れ合ったり、位置が微妙にずれたりすると音が出ることがあります。加齢や使い過ぎで軟骨がすり減ると音が鳴りやすくなりますが、痛みがなければ軽度の変化と考えられます。
筋肉・腱の滑走音
膝周囲の筋肉や腱が骨の突出部分をまたぐ時に、「スナップ音」や「こすれる音」が発生することがあります。これは特に柔軟性が低下している時に起こりやすく、ストレッチや筋肉ほぐしで改善することが多いです。
カイロプラクティックのアジャストメント時の音について
カイロプラクティックの施術中に聞く「ポキッ」という音も、膝の音と似たメカニズムで起こっています。これは関節内の圧力変化によるガス放出(キャビテーション)によるもので、関節の動きを正常に戻す過程で発生します。
この音は関節の動きが改善されているサインであり、痛みを伴わない場合は心配ありません。ただし、施術後に痛みや違和感が続く場合は、施術者に相談しましょう。
音が鳴る膝と痛みの関係
膝の音自体は痛みがなければ問題ありませんが、以下のような場合は専門医の診察をおすすめします。
- 音に伴い膝の痛みや腫れがある
- 動かしにくさやひっかかりを感じる
- 急に大きな音がして膝が不安定になる感じがある
まとめ
膝からの「パキッ」という音は、関節内のガス放出や軟骨・腱の動きによるもので、多くの場合は正常な現象です。 カイロプラクティックのアジャストメントで聞く音も同様のメカニズムで起こっており、関節の動きが改善されるサインです。痛みがなく動作に支障がなければあまり心配せず、ストレッチや筋肉トレーニングで柔軟性と安定性を高めることが大切です。
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