【カイロ先生の体なび】vol.20
冷え性は“血のめぐり”だけの問題じゃない?
〜自律神経と筋肉の関係〜
はじめに
朝晩の冷え込みが強くなり、「手足が冷たい」「お腹が冷える」「なかなか温まらない」と感じる方が増えてきました。
一口に“冷え性”といっても、そのタイプはいくつかあります。
冷え性のタイプと特徴
末梢型冷え性
- 手足の先が冷たくなるタイプ。
- 血管が収縮して血液が末端まで届かなくなることが主な原因です。
- 筋肉量が少ない女性や、長時間座りっぱなしの方に多くみられます。
内臓型冷え性
- お腹や腰が冷え、手足は温かいこともあるタイプ。
- ストレスや自律神経の乱れによって、内臓への血流が低下していることが多いです。
全身型冷え性
- 慢性的に体温が低く、全体的に代謝が落ちているタイプ。
- 加齢や運動不足、甲状腺機能の低下などが関係することもあります。
筋肉と血流の関係
血液を全身に巡らせるポンプ役は心臓だけではありません。 特に太ももやふくらはぎなどの下半身の筋肉は、血液を押し戻す「第2の心臓」として働きます。 しかし、デスクワークや姿勢不良によって筋肉が硬くなると、このポンプ機能が低下し、血液が滞りやすくなります。 結果として「冷え」「むくみ」「だるさ」などの症状が現れます。
自律神経の影響
ストレスや不規則な生活で交感神経が優位になると、血管が収縮して末梢の血流が減少します。 これが長く続くと、手足の冷えだけでなく、肩こり・頭痛・胃腸の不調なども起こります。 自律神経は背骨を通る神経と密接に関係しているため、姿勢の乱れや背骨の可動性の低下も冷えの一因となります。
タイプ別:カイロプラクティックでのアプローチ
末梢型冷え性
- 骨盤や胸椎の動きを整えることで、血液を全身へ押し出す筋ポンプ機能を改善。
- 手足への血流が促され、自然な温かさを感じやすくなります。
内臓型冷え性
- 胸椎〜腰椎の可動性を高め、自律神経のバランスを整えることで、
- 内臓への血流を改善。胃腸の働きが落ちている方にも効果が期待できます。
全身型冷え性
- 姿勢のバランスを整え、全身の筋肉と神経の連動を促すことで、
- 基礎代謝そのものを底上げ。体の芯から温まりやすい体質へ導きます。
まとめ:
冷え性は「血流が悪い」だけでなく、筋肉・神経・姿勢などの体のバランス全体が関わる複合的な問題です。 体を温めるだけでなく、「動かして、整える」視点を持つことで、根本からの冷え対策につながります。
【カイロ先生の体なび】は、毎週火曜に「体のしくみ・メカニズム」視点から、
土曜には「自宅でできるセルフケア・ストレッチ」をご紹介しています。
