【カイロ先生の体なび】vol.22
タイヤ交換で腰・肩が痛くなる理由 ― 作業姿勢と体のメカニズムを解説!
はじめに
タイヤ交換の季節になると、「腰が痛くなった」「肩が重い」「腕が張った」という相談が増えます。 普段デスクワーク中心の方ほど、久しぶりの重作業で体が驚き、急に負担がかかるのがその理由です。 今回は タイヤ交換で起こりやすい体の負担と、そのメカニズム を分かりやすく解説します。
タイヤを持ち上げる時に起こる“前かがみ+ねじり”の負荷
タイヤ1本の重さは10〜15kgほど。持ち上げる時、多くの人が背中が丸まった前かがみ姿勢のまま「腰で持つ」 というフォームになりがちです。
この姿勢では
- 腰椎へ強い圧力がかかる
- 腰の深い筋肉(多裂筋)が過緊張
- 腹筋のサポートが働きにくい
さらにタイヤを運ぶ時は身体をひねることが多く、
「前かがみ × ねじり」=ぎっくり腰が起こりやすい最悪の組み合わせとなります。
固いナットを回す動作は肩・前腕に負荷大
ナットの緩め・締めでは、腕だけでなく肩甲骨まわりの筋肉も総動員されます。
具体的には
- 肩の外旋・内旋
- 前腕の回内・回外
- 握力の持続負荷
三角筋・ローテーターカフ(棘下筋など)・前腕屈筋群 に疲労が蓄積。
固いナットほど“てこの原理”を使うため、
肩のインナーマッスルが強く引っ張られ、翌日に「肩が痛い」という人が増えます。
タイヤの積み下ろしは膝と股関節の負担バランスが崩れやすい
トランクや倉庫からタイヤを出す・入れる場面で起こりやすいのが、
膝がつま先より前に出る“膝主導の屈み方”。
この姿勢だと
- 大腿四頭筋だけに負荷が集中
- 膝関節に圧力
- 腰も丸まりやすい
本来は 股関節主導(ヒップヒンジ) が理想ですが、慣れていない人がいきなり行うのは難しく、疲労や痛みにつながりやすいポイントです。
タイヤ交換は「短時間で全身を酷使する作業」
実はタイヤ交換では、驚くほど多くの筋肉を同時に使います。
- 腰 :脊柱起立筋・多裂筋
- 体幹 :腹横筋・腹斜筋
- 肩 :三角筋・棘下筋
- 腕 :前腕屈筋群・伸筋群
- 太もも:大腿四頭筋・ハムストリング
使い慣れていない筋肉を一気に動員 → 疲労が急速に蓄積
というパターンに。
“たった20〜30分の作業”でも、身体には大仕事なのです。
ケガ防止のポイントは「作業前後の可動域づくり」
タイヤ交換で痛みが出やすい人には共通点があります。それは…
作業前後に体をほぐさず、いきなり全力で作業してしまうこと。
特に
- ハムストリング(太もも裏)
- 胸まわり
- 前腕
次回(土曜)は“週末ストレッチ編”
土曜日の「カイロ先生のストレッチなび」では、
タイヤ交換前後に絶対やっておきたい3つのケアストレッチ を紹介します。
ぎっくり腰や肩のオーバーワークを防ぐための、シンプルで効果的な内容ですのでお楽しみに!
【カイロ先生の体なび】は、毎週火曜に「体のしくみ・メカニズム」視点から、
土曜には「自宅でできるセルフケア・ストレッチ」をご紹介しています。
