【カイロ先生の体なび】vol.28
冬はなぜ足が攣りやすい?
脱水・血流・筋膜・神経の4方向で読む “冬のこむら返りメカニズム”
はじめに
冬になると「夜中にふくらはぎが攣る」「ちょっとした動きで足がつる」という相談が増えます。
夏のように汗をかくわけでもないのに、なぜ冬は攣りやすいのでしょうか。
今回は、
- ①体内の水分バランス(脱水)
- ②血流と筋温の低下
- ③筋膜の硬さと姿勢負荷
- ④神経生理(興奮性の上昇)
土曜日のストレッチなびでは、攣り予防のふくらはぎ中心ストレッチを紹介します。
① 冬の“隠れ脱水”が筋収縮の電解質バランスを乱す
冬は喉の渇きを感じにくいため、水分摂取量が大幅に低下します。
しかし、
- 暖房による乾燥
- 呼吸量の増加(冷えた空気を温めるため)
- 皮膚からの不感蒸泄の増加
その結果、筋収縮の調整に不可欠な
ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム
などの電解質バランスが乱れ、筋肉が興奮しやすい状態に。
つまり冬は、自覚のない軽度脱水 → 筋肉が勝手に縮もうとする土台ができてしまう季節です。
【補足】簡単にできる“隠れ脱水セルフチェック”
冬は脱水を自覚しにくいため、以下の2つの方法が有効です。1. 朝いちばんの尿の色を見る
※1日だけでなく「2〜3日連続」で色を見て判断すると確実です。
- 透明〜薄い黄色:良好
- 濃い黄色〜茶色っぽい:水分・電解質の不足傾向
2. OS-1(経口補水液)の“味の感じ方”でわかる脱水評価
味覚の変化は身体の要求とリンクしやすいため、冬場の簡易的な指標として有効です。
- おいしい、飲みやすい → 身体が電解質を求めている=脱水傾向
- しょっぱい、飲みにくい、欲しくない → 現時点では脱水は強くない
尿の色チェック
| 色 | 対策の必要性 |
|---|---|
| 色1 | 脱水リスク「なし」。対策;こまめな水分補給を続ける |
| 色2 | 脱水リスク「低い」対策;予防として水分補給量を追加する |
| 色3 | 脱水リスク「注意」対策;活動前に体重の約1%(500ml~1L)の水分補給が必要 |
| 色4 | 脱水リスク「警戒」対策;活動前に体重の約1.5%(1L~1.5L)の水分補給が必要 |
| 色5・6 | 脱水リスク「危険」対策;活動前に体重の約2%(1.5L~2L)の水分補給が必要 |
※尿色は「JIS標準色票」に基づいて作成されています。出力するデバイス(PC・スマートフォンのディスプレイや印刷するプリンタ・紙など)により、変化する場合があります。
② 冷えによる血流低下で“筋肉の興奮スイッチ”が入りやすくなる
冷えは、筋肉そのものの働きに直接影響します。
- 血流が落ちて乳酸や代謝産物が流れにくくなる
- 筋温が下がると筋スピンドル(筋肉のセンサー)が過敏になる
- 筋膜の滑走が低下し、局所的な緊張が高まりやすい
③ 筋膜の硬さ・姿勢負荷でふくらはぎにストレスが集中する
冬の生活習慣(縮こまり姿勢・厚着・運動量低下)は筋膜の滑走性を下げます。
特に以下の筋膜ラインが硬い方は足が攣りやすい傾向があります。
- 足裏〜ふくらはぎライン(下腿後面)
- 太もも裏〜骨盤ライン(ハムストリングス)
- 背中全体の浅層ライン
- 長時間の座位
- 猫背姿勢
- 歩行量の低下
冬は“筋膜の硬さ × 姿勢 × 活動量低下”で、ふくらはぎにストレスが集中しがちです。
④ 自律神経の乱れと「睡眠中のこむら返り」
こむら返りは、夜中〜明け方に多いという特徴があります。
理由は以下の通りです。
- 冷えと寝返りによる急な伸張刺激
- 副交感神経優位 → 筋緊張が一時的に不安定になる
- 日中のストレスで交感神経が過敏化している
- 寝ている間は血圧が下がり、ふくらはぎへの灌流が低下する
まとめ
冬は以下の要因が重なることで、足が攣りやすい季節です。
- 隠れ脱水による電解質バランスの乱れ
- 冷えによる血流低下と筋肉の過敏性
- 筋膜の硬さと姿勢由来の負担集中
- 自律神経バランスの乱れ(特に睡眠時)
土曜日のコラム(ストレッチなび)では、攣り予防の“ふくらはぎケア”を3ステップでまとめたルーティンをご紹介します。
【カイロ先生の体なび】は、毎週火曜に「体のしくみ・メカニズム」視点から、
土曜には「自宅でできるセルフケア・ストレッチ」をご紹介しています。
