膝の裏を意識して動かそう!|膝窩筋にアプローチするセルフケア
はじめに
膝の裏には、膝の曲げ始めや安定した動きを支える「膝窩筋(しつかきん)」という小さな筋肉があります。
前回の「体なび」では、膝窩筋の場所や働きについてご紹介しました。
今回はその続編として、膝窩筋の働きを意識しながら、無理なく膝を動かすセルフケアをご紹介します。
膝窩筋は「伸ばす」だけでなく「動かす」
膝のケアというと、大腿四頭筋やハムストリングス、ふくらはぎなどを伸ばすストレッチを思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、これらの筋肉を柔らかく保つことも大切です。
一方、膝窩筋は膝の奥にある小さな筋肉。
そのため、膝窩筋だけを「グイッと伸ばす」というより、**膝をゆっくり曲げ伸ばししながら、その働きを引き出す**ことを意識してみましょう。
今回は、強く伸ばすことよりも「丁寧に動かす」ことを重視します。
ステップ①:椅子に座って膝をゆっくり曲げ伸ばし
まずは、一番簡単な方法から。
- 方法:
- 椅子に浅めに座る
- 足の裏を床につける
- 片足をゆっくり前に伸ばす
- そこから、ゆっくり膝を曲げていく
- 膝の裏側が動く感覚を意識する
- 5~10回程度繰り返す
- ポイントは、勢いをつけないこと。
「膝を伸ばす」「膝を曲げる」という単純な動きでも、膝の周囲ではさまざまな筋肉が協調して働いています。
膝の裏側にも少し意識を向けながら、ゆっくり動かしてみましょう。
ステップ②:かかとを滑らせる「ヒールスライド」
次は、膝を曲げる動きをもう少し丁寧に行います。
- 方法:
- 仰向けになる
- 両脚を伸ばす
- 片方のかかとを床につける
- かかとを床の上でゆっくりお尻に近づける
- 無理のないところまで膝を曲げる
- ゆっくり元の位置へ戻す
- 床の上でかかとを滑らせることで、脚の重さを利用しながら膝を曲げることができます。
- 「膝を深く曲げること」よりも、「滑らかに動かすこと」を意識しましょう。
左右5~10回程度を目安に行います。
ステップ③:立った状態で「膝の力を抜く」練習
最後は、立った状態で膝の動きを意識してみましょう。
- 方法:
- 足を肩幅程度に開いて立つ
- 膝を伸ばし切って固定しない
- 膝の力を少し抜く
- そのまま膝をほんの少し曲げる
- ゆっくり元の位置へ戻す
- 5~10回程度繰り返す
- 膝を「カクッ」と曲げるのではなく、ほんの少しだけ動かすのがポイントです。
- 膝の裏側に意識を向けながら、膝周囲の力が抜けたり入ったりする感覚を探してみましょう。
「伸ばす」より「滑らかに動かす」
今回のセルフケアでは、膝窩筋を強く伸ばすことを目的にはしていません。
膝窩筋は、膝の曲げ始めや関節の安定した動きに関わる筋肉です。
そのため、
という方法ではなく、
という考え方で行ってみましょう。
膝に痛みがある場合は無理をしない
今回の運動は、膝窩筋を意識しながら膝を動かすための簡単なセルフケアです。
膝の痛みを治療するためのものではありません。
特に、
- 膝を動かすと強く痛む
- 腫れがある
- ケガをした後から痛みが続いている
- 膝が引っかかる、ロックする感じがある
- 膝に力が入りにくい
カイロ先生の豆知識
膝窩筋は、膝の裏側の深いところにあるため、外から触って「ここが膝窩筋!」と簡単に確認できる筋肉ではありません。
それでも、膝を曲げ始めるときや歩行などの動作では、膝周囲の筋肉と協調して働いています。
筋肉は、必ずしも「大きくて力の強い筋肉」だけが重要なわけではありません。
今回の膝窩筋のように、目立たない小さな筋肉が関節の細かな動きを支えていることもあります。
今日覚えてほしいこと
膝窩筋は、膝の裏側にある小さな筋肉。
大きな筋肉を伸ばすだけではなく、膝をゆっくり曲げ伸ばしして、関節を滑らかに動かすことも膝のケアにつながります。
今回は「膝窩筋を強く伸ばす」のではなく、膝窩筋が働く動きを丁寧に行う**ことを意識してみましょう。
まとめ:
膝の動きには、大腿四頭筋やハムストリングス、ふくらはぎなどの大きな筋肉だけでなく、膝窩筋のような小さな筋肉も関わっています。
膝窩筋は膝を曲げ始める動きや関節の安定に関わるため、日常の歩行や立ち座りなどでも働いています。
今回ご紹介したセルフケアでは、膝窩筋だけを無理に伸ばすのではなく、膝をゆっくり曲げ伸ばししながら、膝の裏側の動きを意識することを大切にしました。
体の中には、普段は意識していないけれど毎日の動きを支えている筋肉がたくさんあります。気になる部位だけを強く伸ばすのではなく、
その筋肉がどんな働きをしているのかを知ったうえで動かしてみることも、セルフケアの一つです。
セルフケアは「強く・たくさん」よりも、「その筋肉がどう働いているか」を意識して丁寧に行うことが大切です。
膝に痛みや違和感がある場合は、痛みを我慢して運動を続けるのではなく、まずは体の状態を確認してみましょう。
次回は、**膝から少し離れて「足首を支える筋肉」**に注目してみます。 普段あまり意識することのない、足首の奥で働く筋肉にはどんなものがあるのでしょうか? 次回も、体の中にある「知られざる筋肉」を一つずつ見ていきましょう。
