【カイロ先生の体なび】vol.26
冷え症-第二弾:冷え性は“体表”と“体内”の二層で考える
〜筋膜の硬さ・深部循環・食事の3方向アプローチ〜
はじめに
前回のコラムでは、冷え性を末梢型 / 内臓型 / 全身型 に分け、
血流・筋肉・自律神経といった体の仕組みから説明しました。
今回はその 第二弾 として、
- 筋膜(からだを覆う膜)の硬さ
- 深部循環(体の奥の血流)
- 食事・栄養の視点
冷え性は“皮膚が冷たいかどうか”だけではなく、
体の深部の温度(=内臓温) が大きく関わっています。
① 冷え性の正体は「熱が作れない」か「運べない」のどちらか
冷えが起こるのは、単純に血流の問題だけではありません。
身体では主に以下の2つが協力して体温を保っています。
- ① 熱を生み出す力(代謝・筋肉・内臓)
- ② 熱を運ぶ力(血流・筋膜)
- 温まらない
- すぐ冷える
- 深部まで冷える
特に日本の冬に多いのは、
- 熱は作れているのに 運べていない
- 表面は温かいのに 内臓が冷えている
② 筋膜は“からだのボディスーツ” ─ 硬さが冷えを呼ぶ理由
筋肉を包む“筋膜”は、からだ全体を1枚のボディースーツのようにつないでいます。
筋膜の役割は、
- 「力を伝える」
- 「神経のセンサーとして働く」
- 「血管を守る」
しかし、
- 静的姿勢(座りっぱなし)
- 運動不足
- 猫背など姿勢の崩れ
- 浅い呼吸
- 同じ作業の繰り返し
その結果、
- 深部の血流が落ちる
- 熱が伝わりにくい
- 血管周囲が硬くなる
- 自律神経の反応が鈍くなる
特に下記の筋膜ラインが硬い方は冷え性を強く感じやすいです。
- 胸〜腹の前側ライン:横隔膜の動き低下 → 内臓冷え
- 背中〜骨盤まわりライン:下半身の循環低下
- 足裏〜ふくらはぎライン:ポンプ作用低下 → むくみ・冷え
③ 深部循環(内臓温)が落ちると、どれだけ温めても温まらない
冷えを訴える方の多くに共通するのが
「内臓の温度が低い」という状態 です。
内臓温が1℃低下すると、
- 基礎代謝が約12%ダウン
- 免疫力が低下
- 栄養の代謝も低下
- 全身の血管の反応が鈍くなる
深部循環が落ちる理由は主に以下。
- 猫背・骨盤後傾で横隔膜が働かない
- 浅い呼吸で内臓の動きが弱くなる
- 長時間座位で腸腰筋が硬い
- ストレスで交感神経が過剰に働く
- 内臓脂肪の増加で血流ルートが狭くなる
という方は、この深部循環タイプが多いです。
④ 食事の切り口:
温まる食材・冷やす食材の“体質別”ポイント
冷え性の改善は、食事からのアプローチが効果的です。温める食品(積極的に摂りたい)
- しょうが(加熱・乾燥がより効果的)
- 根菜(にんじん・ごぼう・大根など)
- 発酵食品(みそ・しょうゆ・甘酒)
- シナモン
- 黒糖・はちみつ
- 青魚(EPA・DHAで血流改善)
- 鉄分(レバー・赤身肉・ほうれん草)
温める・巡らせる・補う(栄養) の3つ。
特に女性の冷えに多い 隠れ貧血 には鉄分が必須です。
冷やしてしまう食品(取りすぎに注意)
- 冷たい飲み物
- 生野菜中心の食事
- コーヒーの飲みすぎ
- 白砂糖・菓子類
- 小麦製品中心
- アイス・ヨーグルトなど冷性食品
「冷えが強い時期だけ控える」という調整が有効です。
⑤ 温度差ストレスが“現代型冷え性”をつくる
今の冷え性で意外に盲点なのが急激な温度差による自律神経の疲労です。
- 朝の寒さ
- 暖房の効いた電車や車などの通勤
- 冷えた職場の空調
- 帰宅時の外の冷気
結果として、
- 手足は温まりづらい
- 冷えると疲れやすい
- 睡眠の質が下がる
冷え対策は 体(血流)だけでなく、自律神経の休息が必須 です。
まとめ
冷え性は「体表が冷える」だけの単純な問題ではなく、以下の三角バランスの崩れで起こります。
- 熱を“つくる”力(代謝・筋肉)
- 熱を“運ぶ”力(血流・筋膜・姿勢)
- 熱を“逃がさない”力(自律神経・生活習慣・温度差耐性)
次回の土曜日コラム(ストレッチなび)では、
深部を温めるストレッチ
筋膜をゆるめる実技
食事と一緒に行う「温活ルーティン」
を具体的にご紹介します。
【カイロ先生の体なび】は、毎週火曜に「体のしくみ・メカニズム」視点から、
土曜には「自宅でできるセルフケア・ストレッチ」をご紹介しています。
